民法 総則 (H13-27)
次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 契約の申込は、相手方が承諾をしたならば、申し込んだ内容通りの法律効果を発生させる意思をもって行われるものであるから、意思表示といえる。
イ 契約の解除は、解除権の行使であって、そのことによって法律により契約関係を遡及的に解消させるものであるから、意思表示とはいえない。
ウ 転貸の承諾は、賃借人に対して、利用権限を移転させることを許容することであるから、意思表示といえる。
エ 債務の履行の催告は、相手方がこれに応じない場合には、解除権が発生し、契約を解除できるものと考えて行う場合は、意思表示といえる。
オ 時効の中断となる債務の承認は、債権が存在するという事実を表明するものであるから、意思表示とはいえない。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
解答 3
意思表示かどうかを聞いていますが、法律行為はすべて意思表示で構成されているので、意思表示を要素としない準法律行為(意思の通知・観念の通知)かどうかで判断し、後はよくわからなくても法律行為だと考えれば個別に暗記する必要はないでしょう。
要するに準法律行為の具体例を押さえておけばよいということです。
ア 正
契約の申込みは、意思表示です。
イ 誤
契約の解除は、単一の意思表示により構成される単独行為の一つであって法律行為である。よって、意思表示である。
なお、追認や取消、遺言なども単独行為です。
ウ 正
転貸の承諾は、意思表示です。
エ 誤
催告したからといって直ちに債務の履行という効果が発生するものではありません。ですから、債務の履行の催告は、意思の通知です。
オ 正
債務の承認は、単に事実を通知するものなので観念の通知です。