憲法 前文 (H13-3)
日本国憲法の前文は、「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と述べて、恐怖から免かれる権利、欠乏から免かれる権利、そして、平和のうちに生存する権利の3種類の権利を宣言している。
これをうけて、憲法第3章は、国民の権利と義務を具体的に定めているが、次の条項に掲げる憲法上の諸権利の中に、「欠乏から免かれる権利」に対応するものは、いくつあるか。
第21条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
第22条
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
第23条
学問の自由は、これを保障する。
第24条
婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
第25条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
解答 1
「恐怖から免れること」とは、自由権などの国家からの自由を意味します。
これに対して「欠乏から免れること」とは、社会権などの国家による自由を意味します。
これらがわかっていれば簡単に答えが出ますね。
第21条の表現の自由、第22条の居住、移転及び職業選択の自由、第23条の学問の自由は、すべて自由権ですね。ですから、「恐怖から免れること」にあたります。
これに対して、第25条は読んでお分かりになるとおり、生存権です。生存権は、国家による自由つまり社会権の一つです。よって、「欠乏から免れること」にあたります。
24条は平等権に関わることですから、どちらにも該当しません。よって、一つの1が正解となります。
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