行政法 行政事件訴訟法 (H18-19)
平成16年改正により、行政事件訴訟法に設けられた教示制度の規定に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 行政事件訴訟法に教示の規定が設けられたことを契機として、行政不服審査法においても教示の規定が創設されることとなった。
2 取消訴訟を提起することができる処分が口頭でされた場合に、相手方から書面による教示を求められたときは、書面で教示しなければならない。
3 原処分ではなく裁決に対してのみ取消訴訟を認める旨の定めがある場合に、当該原処分を行う際には、その定めがある旨を教示しなければならない。
4 当該処分または裁決の相手方以外の利害関係人であっても、教示を求められた場合には、当該行政庁は教示をなすべき義務がある。
5 誤った教示をした場合、または教示をしなかった場合についての救済措置の規定がおかれている。
解答 3
1 誤
行政事件訴訟法の教示制度は平成16年改正で新設されたが(行訴法第46条)、行政不服審査法の教示制度はそれより以前に規定されていた。
2 誤
行政不服審査法では、請求による教示について規定しているが(57条)、行政事件訴訟法では、規定をしていない。
3 正
行政庁は、法律に処分についての審査請求に対する裁決に対してのみ取消訴訟を提起することができる旨の定めがある場合において、当該処分をするときは、当該処分の相手方に対し、法律にその定めがある旨を書面で教示しなければならない。ただし、当該処分を口頭でする場合は、この限りでない(行訴法第46条2項)。
4 誤
処分庁は、利害関係人に対しては、教示義務はない(行訴法第46条1項、2項)。
5 誤
行政不服審査法と異なり、誤った教示をした場合、または 教示をしなかった場合においての救済措置は規定されていない。