民法 債権 (H7-30)
保証債務についての民法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 主たる債務について違約金の定めがない場合でも、保証債務についてのみ違約金の定めをすることができる。
2 保証債務は、主たる債務に関する損害賠償には及ばない。
3 保証人は、行為能力者であることが必要である。
4 連帯保証人は、催告の抗弁権および検索の抗弁権をもつ。
5 保証人は、主たる債務者のもつ反対債権による相殺をもって、債権者に対抗することはできない。
解答 1
1 正
保証契約は、債権者との別個独立の契約であって、保証人の履行を確実にするために個別に違約金の定めを約定するものであるため、主債務とは関係のない保証人独自の債務といえる。
そのため、内容における付従性に反しない。
2 誤
特約などない限り、原則として、主債務から生じるもの全てを保証しなければ、保証をたてた意味がないため保証債務は主債務に関する、利息、違約金、損害賠償等にも及ぶ(447条)。
3 誤
保証契約は、債権者と保証人との契約であるため、保証人の資格については債権者が判断すればよいので、保証人を立てる義務がないかぎり、保証人の資格に制限は原則としてない。
本問は、保証人を立てる義務の有無が不明確なので、原則どおり考えれば、能力者である必要はない。
4 誤
連帯保証は、合意により、単純保証よりも重い責任を負う保証契約であるため、補充性はなく、催告の抗弁権および検索の抗弁権はない。
5 誤
保証人は自らを守るため、それと同時に決済の便宜を図るために、保証人は、主債務者の債権者に対する反対債権を利用することができる。