民法 債権 (S63-37)
不法行為に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1損害賠償の請求権は被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効により消滅する。
2被用者が事業執行につき第三者に損害を加えても、使用者は、被用者の選任及び事業の監督につき相当の注意をなしていたときは、責任を負わなくてもよい。
3 注文者は、請負人がその仕事について第三者に損害を加えた場合でも、賠償責任を負わなければならないときがある。
4 共同不法行為において教唆者は、共同行為者とみなされない。
5胎児は損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなされる。
解答 4
1 正
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する(724条)。
2 正
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない(715条)。
3 正
注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わない。ただし、注文又は指図についてその注文者に過失があったときは、この限りでない(716条)。
4 誤
行為者を教唆した者及び幇助した者も、共同不法行為者とみなされる(719条2項)。
5 正
胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなされる(721条)。なお、相続・遺贈についても既に生まれたものとみなされる(886条、965条)。