行政法 地方自治法 (H13-18)
次の記述は、内閣と国会間の関係との比較において、地方公共団体の長と議会との関係を述べたものである。誤っているものはどれか。
1 議会において地方公共団体の長に対する不信任議決が行われたときは、地方公共団体の長は、内閣同様、10日以内に解散権を行使しないかぎり、その職を失う。
2 地方公共団体の長は、議会の不信任議決を受けて解散権を行使することができるが、内閣と異なり、信任決議案の否決の場合の解散ということはない。
3 地方公共団体の長は、解散権行使に基づく議会議員の選挙の後、議会が招集されたときは、内閣同様、直ちに辞職しなければならない。
4 地方公共団体の長は、内閣と異なり、予算に関する議決について異議があるときは、その送付を受けた日から10日以内に、理由を付して再議を請求することができる。
5 地方公共団体の長は、内閣と異なり、議会において議決すべき事件を議決しないときは、その議決すべき事件につき決定することができる専決処分権をもつ。
解答 3
1 正
普通地方公共団体の議会においても、長の不信任の議決をしたときは、その旨の通知を受けた日から10日以内に議会を解散しなければ、長は失職となる(地方自治法第178条1項2項)。同様に、内閣不信任決議後10日以内に衆議院を解散しなければ、内閣は総辞職しなければならない(憲法第69条)。
2 正
長の信任の決議案が否決された場合において、長が議会を解散することができる旨の規定はない(地方自治法第178条1項)。
3 誤
普通地方公共団体の長は、当該普通地方公共団体の長の不信任の議決を受けて議会を解散した場合、その解散後初めて招集された議会において再び不信任の議決があったときは、その旨の通知があった日にその職を失う(地方自治法178条2項)。
4 正
普通地方公共団体の議会における条例の制定若しくは改廃又は予算に関する議決について異議があるときは、当該普通地方公共団体の長は、この法律に特別の定があるものを除く外、その送付を受けた日から十日以内に理由を示してこれを再議に付することができる(一般的拒否権:地方自治法第176条1項)。
5 正
長には専決処分権が与えられている(地方自治法第179条1項・180条1項)。