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基礎法学 (H18-1)


裁判外の紛争処理手続の種類に関する次の文章の空欄[A]~[D]内に当てはまる語として、正しいものの組合せはどれか。


 紛争当事者は、話し合いにより互いに譲り合って紛争を解決することができる。しかし当事者間で話し合いがつかないときは、権威のある第三者に入ってもらって、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の制度を用意しているが、その一つが裁判上の[A]である。また「当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする」紛争解決方法として、わが国では[B]が発達し、争いの性質によっては訴訟よりも活用されてきた。たとえば家事審判法によれば、[B]を行うことのできる事件についてはいきなり訴訟を提起することはできず、まずは[B]の申立てをしなければならない。裁判によらない紛争解決の方法としては、さらに[C]がある。これは紛争当事者が争いの解決のために第三者を選び、その判断に服することを約束することによって争いを解決する手段であり、特に商人間の紛争解決手法として古くから発達してきた。近時はこのような裁判外の紛争処理方法を[D]として捉えて、その機能を強化することへの期待が高まっており、関係する制度の整備が行われている。


   A   B    C     D

1 和解 調停   仲裁    PFI

2 示談 仲裁   あっせん ADR

3 和解 調停   仲裁    ADR

4 調停 仲裁   あっせん PFI

5 示談 あっせん 裁定   PSE




解答 3 


この問題は、2つの問題の肢さえわかれば正解できますが、A~Dの中で最も重要な空欄はどれかわかりますか?

Dです。この問題の出題意図は「ADR」って知っていますか?ということです。

もしA~CがわかってもDがわからなければ、1と3で迷うことになります。

ADRとPFIはどちらも略した英語ですから、日本語と違って言葉の意味から推測することは困難ですね。

こうなると後は勘に頼るしかないです。50%の確率にかけてどちらかにマークして気にせず次に進みましょう。

出題意図は「ADR」の知識ですから、1と3で迷って1にしてしまった方はADRの意味を復習しておいてください。

逆にDさえわかれば、ほぼ解けたことになります。

解答は2か3のどちらかです。

後はA~Cの3つの空欄のうち一つがわかれば正解できます。

空欄を埋めるには空欄以外の部分に必ずヒントが書かれていますので、空欄の周りだけにとらわれず、ヒントを探しましょう。

この問題では「権威のある第三者に入ってもらって、紛争を解決するほかない。国家はそのために、正式な裁判のほかにも種々の制度を用意している」として種々の制度の説明が以下に続いていますから、この部分がヒントになります。

ポイントは第三者の介入による紛争解決です。

これが分かればAの空欄は簡単にわかるはずです。解答の肢2と3から、示談または和解のどちらかが入ることになりますね。

示談=和解契約(民法695条)です。

契約とは当事者の取り決めですから、第三者たる裁判所は介入しません。

裁判上の示談という言葉は意味からしてありえません。

ですからAには和解が入ります。

おそらく、Aの選択肢に和解契約と書かれていたら簡単すぎるため示談としたのでしょう。

このように、和解には裁判上の和解と和解契約(民法695条)がありますので間違えた方はよく復習しておいてください。

また、Aが良くわからなくても、あきらめてはいけません。

空欄Bが3箇所もでてきていますから、これが手がかりになります。

どれか1箇所がわかればいいのです。

例えば、3番目の空欄Bが調停前置主義のことだとわかれば答えがでますね。

以上のように穴埋め問題は、全部埋めようとせずに、まず分かるところから埋めて解答の肢を絞り込み、分かるところだけで正解がでないか検討することが大事です。





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