憲法 統治 (H2‐23)
以下の記述のうち誤っているものはいくつあるか。
1 家庭裁判所は、特定の種類の事件のみを管轄する裁判所であり、特別裁判所の一つである(H2‐23‐2)。
2 行政機関は、終審として裁判を行うことができない(H2‐23‐1)。
3 最高裁判所の長たる裁判官は、国会の指名に基づいて天皇が任命する(H2‐23‐3)。
4 最高裁判所判事は内閣が任命し、天皇が認証する。
5 最高裁判所の裁判官には10年ごとの任期がある。
6 下級裁判所の裁判官は、国会の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する。
7 下級裁判所の裁判官は、任期を十年とし、再任されることができるが、再任されるかどうかは、内閣の自由裁量である。
解答 4つ(肢1、3、5,6)
1 誤
家庭裁判所も通常裁判所の系列に属する下級裁判所であるため特別裁判所ではない。
2 正
行政機関は、終審として裁判を行うことができない(憲法第76条2項)。
3 誤
最高裁判所の長たる裁判官は、「内閣」の指名に基づいて天皇が任命する。(憲法第6条2項)。
4 正
最高裁判所判事は内閣が任命し(79条1項)、天皇が認証する。
なお、最高裁判所判事の天皇の認証における「法律の定めるその他の官吏の任免」(7条5号)にあたり、その法律とは、裁判所法39条3項です。
「裁判所法39条3項
最高裁判所判事の任免は、天皇がこれを認証する。」
5 誤
最高裁判所の裁判官には任期はなく、定年があるだけです。
「憲法79条5項
最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。」
「裁判所法第50条
(定年) 最高裁判所の裁判官は、年齢70年。
6 誤
下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によって、内閣でこれを任命する。
7 正
その通り。再任は任命権者である内閣の自由裁量に委ねられている。