行政法 地方自治法 (H20-25)
地方自治法の規定に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 都道府県は、指定都市の市長から要請があった場合には、都道府県の事務の一部又は全部を指定都市に移譲しなければならない。
2 指定都市が市長の権限に属する事務を分掌させるために条例で設ける区を、特別区という。
3 市が中核市の指定の申出をしようとするときには、当該市は、あらかじめ議会の議決を経て、都道府県の同意を得なければならない。
4 中核市は、特例市が処理することができる事務のうち政令で定めるものを処理することができる。
5 地方自治法が定める一定の人口要件を下回った市は、町または村となる。
解答 3
1 誤
政令指定都市は、都道府県に近い権限が与えられ、地方自治法第250条の19各号で掲げる都道府県の事務の一部又は全部を政令で定めるところにより、処理することができる。
したがって、都道府県が、指定都市の市長から要請があった場合に、都道府県の事務の一部又は全部を指定都市に移譲しなければならないわけではない。
2 誤
行政区の説明である(地方自治法第252の20第1項)。特別区とは、東京都の23区のことであり、特別地方公共団体の一つである(281条1項)。
3 正
関係市が中核市の指定の申出をしようとするときには、当該市は、あらかじめ当該市の議会の議決を経て、都道府県の同意を得なければならない(地方自治法第252条の24)。
4 誤
「特例市」ではなく「指定都市」である(地方自治法第252条の22)。
5 誤
市となるべき普通地方公共団体は、人口5万人以上を有することが、その要件となっている(地方自治法第8条1項)。
しかし、いったん市となった後に5万人を割っても市から町になるわけではない。