行政法 行政事件訴訟法 (H22-17)
取消訴訟の裁判管轄に関する次のア~オの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
イ 取消訴訟は、処分をした行政庁の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
ウ 土地の収用など特定の不動産または場所に係る処分の取消訴訟は、その不動産または場所の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
エ 取消訴訟は、処分に関し事案の処理に当たった下級行政機関の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
オ 国を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
解答 4
ア 誤 イ 正
取消訴訟は、原則として以下の裁判所の管轄に属します(12条1項)。
①被告(国または地方公共団体)の所在地を管轄する裁判所
②処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所
よって、原告ではなく「被告」の所在地なので、アは誤りです。
ウ 正
条文の通りです。
『土地の収用、鉱業権の設定その他不動産又は特定の場所に係る処分又は裁決についての取消訴訟は、その不動産又は場所の所任地の裁判所にも、提起することができる(行政事件訴訟法第12条2項)。 』
エ 正
条文の通りです。
『取消訴訟は、当該処分又は裁決に関し事案の処理に当たった下級行政機関の所在地の裁判所にも、提起することができる(行政事件訴訟法第12条3項)。』
オ 正
条文の通りです。
『国又は独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人若しくは別表に掲げる法人を被告とする取消訴訟は、原告の普通裁判籍の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所(次項において「特定管轄裁判所」という。)にも、提起することができる(行政事件訴訟法第12条4項)。』