憲法 人権 (H22-4)
次の文章は、平等原則について、先例として引用されることの多い最高裁判所判決の一部である。文中の空欄[ア]~[エ]にあてはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
思うに、憲法14条1項及び地方公務員法13条にいう社会的身分とは、人が社会において占める継続的な地位をいうものと解されるから、高令(齢)であるということは右の社会的身分に当らないとの原審の判断は相当と思われるが、右各法条は、国民に対し、法の下の平等を保障したものであり、右各法条に列挙された事由は[ア]なものであって、必ずしもそれに限るものではないと解するのが相当であるから、原判決が、高令(齢)であることは社会的身分に当らないとの一事により、たやすく上告人の……主張を排斥したのは、必ずしも十分に意を尽したものとはいえない。しかし、右各法条は、国民に対し[イ]な平等を保障したものではなく、差別すべき[ウ]な理由なくして差別することを禁止している趣旨と解すべきであるから、[エ]に即応して[ウ]と認められる差別的取扱をすることは、なんら右各法条の否定するところではない。
(最大判昭和39年5月27日民集18巻4号676頁以下)
ア イ ウ エ
1 具体的 形式的 客観的 事柄の性質
2 例示的 絶対的 合理的 公共の福祉
3 例示的 相対的 合理的 事柄の性質
4 具体的 一般的 実質的 公共の福祉
5 例示的 絶対的 合理的 事柄の性質
解答 5
22年度の本試験問題ですが、組合せの空欄補充問題であり、非常に簡単な問題ですね。
「平等」とは、絶対的な平等ではなく、ある程度の合理的な差異、区別を認めた相対的な平等を意味するということを理解していれば、少なくとも肢2と5までは絞れるでしょう。後は、空欄エに国語力で「公共の福祉」ではなく、「事柄の性質」が入るとわかれば正解できます。