WEB練習問題(リニューアル中) > 年度別過去問題 > 平成3年 > 問題37

行政法 総論 (H3-37)


行政罰に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。


1 行政罰とは、行政法上の義務違反に対し、一般統治権に基づき、制裁として科される罰をいう。

2 刑事罰の対象となる行為は、それ自体が反道徳性、反社会性を有するものであるのに対し、行政罰の対象となる行為は、行政上の目的のためにする命令禁止に違反するために、反社会性を有するものである。

3 「法律なければ刑罰なし」の原則(罪刑法定主義)は、刑事罰にのみ適用され、行政罰には適用されない。

4 行政罰の中には、行政上の秩序を維持するための罰の一種としての過料がある。

5 行政罰は、懲戒罰と併科することができる。


解答 3  


1 正

行政罰とは、行政法上の過去の義務違反に対して、一般統治権に基づき、制裁を目的として科せられる罰のことをいう。


2 正

刑事罰の対象となるのは、殺人等、その行為自体が反道徳的・反社会的な犯罪であるのに対し、行政罰の対象となるのは、行政上の目的を達成するために、命令禁止違反によって反社会性を有する行為である。


3 誤

行政罰も、刑事罰の一種であるから、罪刑法定主義(憲法第31条)が適用され、法律の根拠を要し、法律の規定を無くして行政罰を科することはできない。


4 正

秩序罰としての過料であり、行政罰の一種である。


5 正

公務員の職務違反に対する懲戒罰と一般統治権に基づく制裁である行政罰とは、その性質も目的も異にすることから、併科することができる。




前の問題 : 問題34
次の問題

問題一覧 : 平成3年

WEB練習問題(リニューアル中) > 年度別過去問題 > 平成3年 > 問題37