民法 債権 (H4-30)
弁済に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 利害関係を有しない第三者であっても、債務者の意思に反して弁済することができる。
2 弁済の額が、元本、利息および費用の合計の額に達しないときは、まず元本に充当し、順次、利息および費用に充当しなければならない。
3 未成年者が弁済として引き渡した物は、法定代理人がその弁済を取り消しても、更に有効な弁済をしない限り、取り戻すことはできない。
4 弁済の費用は、債権者がその費用を増加したときを除き、特約のない限り、当事者双方平分して負担する。
5 特定物の引渡しを目的とする債務の弁済は、特約のない限り、債権者の現時の住所において行わなければならない。
解答 3
1 誤
利害関係を有しない第三者は、債務者の意思に反して弁済をすることができない(474条2項)。
2 誤
弁済において、充当される順序は①「費用」②「利息」③「元本」の順である(491条1項)。
3 正
譲渡につき行為能力の制限を受けた所有者が弁済として物の引渡しをした場合において、その弁済を取り消したときは、その所有者は、更に有効な弁済をしなければ、その物を取り戻すことができない(476条)
4 誤
弁済の費用は特約がなければ、原則として債務者が負担する(485条)。
5 誤
弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生の時にその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない(484条)。