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行政法 総論 (H4-33改題)


無効な行政行為に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。


1 無効な行政行為は、正当な権限を有する行政庁又は裁判所が無効の判断をして初めて効力を失う。

2 無効な行政行為というためには、その行為に内在する瑕疵が重大な法規違反であることのみで足り、瑕疵の存在が外観上明白であることを要しないとするのが判例の立場である。

3 行政行為の無効を主張するに当たっては、法令で定められた期間内に争訟を提起することが必要である。

4 違法な行政行為の転換には、その旨の裁判所の宣言が必要である。

5 錯誤による漁業の免許は、当然には無効とならない。

6 内容が不明確な行政行為は、無効な行政行為ではなく、取り消し得べき行政行為である。

7 瑕疵の治癒とは、行政行為に軽微な瑕疵がある場合に、行政行為の相手方の了承を得て、処分庁が当該行政行為を補正することによって、その効力を維持することをいう。



解答 6つ 


1 誤

無効な行政行為には、公定力が生じないため、正当な権限を有する行政庁又は裁判所が無効の判断をするまでもなく無効である。


2 誤

無効な行政行為というためには、瑕疵が重大かつ明白である必要がある。

瑕疵が明白であるというのは、行政行為成立の当初から、誤認であることが外形上、客観的に明白である場合を指すものと解すべきとされている。

外形上客観的に瑕疵が明白であれば、裁判所による判断を待つまでもなく、何人の判断によっても同一の結論に達することができるからである。

これを外見上一見明白説という(最判昭和31年7月18日)。


3 誤

無効な行政行為については、公定力はもちろん、その他の行政効力の効力も認められない。

そのため、行政事件訴訟法の無効確認等の訴えによって、いつでも争うことが可能であり、出訴期間は規定されていない。


4 誤

違法行為の転換とは、違法な瑕疵ある行政行為を別の行政行為としてみれば全く瑕疵がないという場合に、これを後者の行政行為とみなしてその効力を維持しようとするものをいう。

別の行政処分の法定要件が満たされていれば、その効力が維持されるので、裁判所の宣言は不要である。


5 正

民法の意思表示の規定は、行政行為には適用されないと考えられている。

そのため、行政行為の内容が客観的に法律に適合していれば、その行政行為は適法となる。

したがって、単に錯誤による漁業の免許は、取消しの対象にはなっても、瑕疵が重大かつ明白でない限り、当然には無効とならない。


6 誤

重大かつ明白な瑕疵の具体例としては、行政行為の主体や内容が不明確などの瑕疵がある場合である。

それゆえ、行政行為の内容が不明確であれば、無効となる。


7 誤

瑕疵の治癒とは、瑕疵ある行政行為でも、その後に欠けている要件等の瑕疵部分が追完されたことで、瑕疵のない適法な行政行為として扱ってしまおうというものをいい、行政行為の相手方の了承は必要ない。






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