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民法 債権(H12-30)


出張先の大阪で交通事故に遭い負傷したAは、東京在住の友人の弁護士Bに加害者Cと示談契約を締結してくれるよう依頼した。次の記述のうち、正しいものはどれか。


1 AがBに通常の報酬を約束した場合には、Bは、善良なる管理者の注意をもって示談契 約交渉にあたる義務を負うが、Bが無報酬または通常より低廉な報酬で仕事を引き受けた場合には、自己の財産におけると同一の注意義務を負うことになる。

2 AがBに報酬を支払うことを約束した場合には、AB間の委任契約成立後AB間の信頼関係が失われるような事態になったとしても、Bに義務違反がないかぎり、AはBとの委任契約を解除することはできない。

3 Bは、Aの承諾を得なければ、自己の信頼する他の弁護士に自己に代わってCとの示談契約の締結を委任することができない。

4 AB間で報酬を支払う旨の約束があった場合でも、加害者Cが自己の責任を認めず示談交渉が決裂したときは、BはAに報酬を請求することはできない。

5 Bは、Cとの示談契約を成立させるまでは、Cとの示談交渉にのぞむために東京から大阪に出張するための交通費等の諸経費をAに請求することができない。


解答 3


1 誤

委任契約においては、無償、有償関係なく受任者は善管注意義務を負う(644条)。


2 誤

委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる(651条1項)。


3 正

 復委任については、復代理と同様に考えればよい(104条、105条)。

104条では「委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。」と規定されている。

そうすると、本人の許諾がなくとも「やむを得ない事由がある」ならば復代理人は認められると思われる。

しかし、本肢では事実関係に「やむを得ない事由」があるとは記載されていないので、「やむを得ない事由がある」場合については考慮に入れないことが前提となっていると思われる。。

問題として適切かどうかは別としてそれが出題者の意図なので、他の肢との関係でこの肢が正しいと判断できるようにしておくのが望ましい。


4 誤

報酬の合意がある場合、原則として、受任者は委任事務を履行した後であれば報酬を請求することができる。

示談交渉が決裂しても、請負と異なり結果を問われるわけではないので、それで委任事務の履行と考えれば、報酬請求することができる(643条)。

 なお、本旨については、委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときにあたると考えることもでき、この場合でも受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる(648条3項)。


5 誤

受任者は委任者のために事務処理をしているので、委任事務を処理するについて費用を要するときは、委任者は、受任者の請求により、その前払をしなければならず(649条)、また、事務処理にかかった費用や利息を委任者に請求することができる(650条1項)。

本肢の交通費等の諸経費はこれら費用に該当する。



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