民法 債権 (H4-31)
契約の成立に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 承諾の期間を定めて、隔地者に対して契約の申込をした場合において、その期間内に承諾の通知が発せられたときは、通知の到達がその期間の経過後であっても、契約は原則として成立する。
2 承諾の期間を定めないで、隔地者に対して契約の申込をしたときは、いつでも撤回することができる。
3 承諾の期間を定めて契約の申込をしたときは、承諾の通知を受けるまでは撤回することができる。
4 承諾の期間に遅延した承諾は、申込者において新たな申込とみなすことができる。
5 承諾者が契約の申込に条件をつけ、その他変更を加えて承諾したときは、その申込を拒絶したことにはならない。
解答 4
1 誤
申込者が承諾の期間を定めてした申込みに対してその期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みの効力は失われる(521条2項)。
承諾期間が定まっている場合、承諾期間内にその通知が到達しないことを解除条件として、承諾通知を発信したときに、契約が成立する。
2 誤
承諾の期間を定めないで隔地者に対してした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない(524 条)。
3 誤
承諾の期間を定めてした契約の申込みは、撤回することができない(521条1項)。
4 正
申込者は、遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができる(523条)。
5 誤
承諾者が、申込みに条件を付し、その他変更を加えてこれを承諾したときは、その申込みの拒絶とともに新たな申込みをしたものとみなす(528条)。